川崎市まちづくり公社の時代
バブル崩壊以後①
- コンパクトシティ
- 都市の再編
- 再開発
- 市民参加まちづくり
バブル崩壊以後、都市が拡大から再生に向かう中で、中心市街地の再生等によるコンパクトシティの考え方が進み、川崎市においても川崎駅周辺地区、溝口駅周辺地区、小杉駅周辺地区をはじめとする拠点地区における再開発が進みました。また、その一方で、市民の価値観が多様化する中で、市民参加によるまちづくりへの支援も求められるようになり、公社の役割も従来からの単体での建築物の整備に加え、まちづくりの視点からの取り組みが必要になってきました。
このため、1994(平成6)年4月に「財団法人川崎市耐火建築助成公社」を改組し、併せて、「財団法人川崎市教育施設整備公社」及び「財団法人川崎市道路整備事業団」の業務を統合化することにより、「財団法人川崎市まちづくり公社」が発足し、従来からの単体の建築物の整備と併せて、まちづくりの視点を取り入れた事業も展開することによって事業の多角化に向けて大きく舵を切ることになりました。
こうした中、川崎市の進める「広域調和・地域連携型まちづくり」を側面から支えるために各拠点地区におけるまちづくりを支える施設の整備・運営に係る事業を開始し、1997(平成9)年9月に「溝口駅北口地区市街地再開発事業」により整備された大型商業施設ノクティの床を取得、2000(平成12)年4月に「新川崎・創造ものづくりのもりK2(スクエア)タウンキャンパス」を整備・開設、2008(平成20)年3月にはホテルと消防署を合築したクレール小杉を整備・開設しました。
一方、旧教育施設整備公社の業務を引き継いだことから1994(平成6)年4月から、公社立替施行による教育施設の受託事業を開始し、小・中・高等学校の14校の改築を行いました。2000(平成12)年からは国の指導により公社の立替施行による既設学校の改築が認められなくなり、これ以後は新設校のみが対象となったことから、2006(平成18)年2月完成の新設校である土橋小学校の整備を行いました。
また、耐火建築助成公社時代から行っていた民間ビル建設資金融資事業については、2002(平成14)年8月に優良ビル建設資金融資事業に移行し、まちづくりの視点から緑化・広場・共同化などの市街地環境の向上に資する物件の利率を下げるとともに、区画整理事業などの面的な地域整備事業とも連動するなど、市街地環境の向上に資する物件の誘導に努めましたが、当該事業については、2006(平成18)年11月に市の外郭団体に対する融資の損失補償が無効であるとの横浜地裁判決が出されたことを受けて、その後は新規物件の融資を休止しています。
また、市民が安心して暮らせる住まいづくりに向け、1994(平成6)年4月にハウジングサロンを開設し、市民の一般住宅に対する新築、増改築、リフォーム、バリアフリー化、耐震化、省エネ化などの相談業務を行うとともに、2000(平成12)年からはマンション管理組合に対する相談業務を行ってきました。
さらに、良好な都市環境の形成に関する調査及び研究として、川崎市からの依頼により、まちづくりに係る各種調査事業を実施し、また、市民参加によるまちづくりの支援に向け、1995(平成7)年4月に「川崎市まちづくり公社まちづくり支援制度要綱」を制定し、地区を単位とした自主的なまちづくりを行おうとする団体等に対してコンサルタントを派遣し、勉強会等の支援を行っています。
その他、公共施設建設受託事業や民間耐火ビル設計監理技術支援業務についても、件数は減りましたが事業としては継続しており、この間に岡本太郎美術館など2件の公共施設建設受託事業を行うとともに、市の外郭団体の施設等を中心に、2件の設計監理技術支援業務を行いました。
主な事業
- 各拠点地区におけるまちづくりを支える施設の整備・運営事業
- 優良ビル建設資金融資事業(旧民間ビル建設資金融資事業)
- 教育施設立替施行事業
- 公共施設建設受託事業
- 民間耐火ビル設計監理技術支援業務
- ハウジングサロン
- コンサルタント派遣